
「& Cultural Embassy」を引き継ぐ話
2007年、SHIBAURA HOUSEのコンセプトや空間を構想している時期に、オランダ・アムステルダムにあるLLOYD HOTEL(ロイド・ホテル)に宿泊したことは以前記事に記しました。
* LLOYD HOTEL = かつては移民の一時的な宿泊施設、ユダヤ人の避難所などに使われていた建物を全面的にリノベーションし、ホテルとして再生(2004年)。デザインはMVRDVが手掛けました
当時、そこはただの”ホテル”ではなく、「LLOYD HOTEL & Cultural Embassy (文化的な大使館)」と名乗っていました。 初めてそれを目にしたとき、意表を突かれたというか、さすがのネーミングセンスに感心してしまいました。実際にLLOYDには世界中の人々が集い、文化的な交流を通して独自のコミュニティを築いていました。たしかに「Cultural Embassy」と呼ぶにふさわしい場所でした。


▲写真は2007年に初めてLLOYD HOTELを訪れたときのもの。トップの写真は2013年にSHIBAURA HOUSEでワークショップを実施した様子
LLOYDを語るには、共同創設者のスザンヌについて触れないわけにはいきません。彼女は映画に登場するビッグママのような佇まい。彼女が掲げる理念、発する言葉のひとつひとつがアーティスティック。そして会う人会う人にハグを繰り返すようなオープンマインドな振る舞いにも魅了されてしまいます。まさしく太陽のような存在でした。
彼女から学んだ大切なこと。それは私たちがこれからスタートさせるオープンな場の運営においては、「運営する私たち自身がオープンマインドであるべき」ということです。また誰に対してもフェアで、率直な姿勢で接することを心に決めました。以来、LLOYDとスザンヌは私たちの憧れであり、お手本のような存在になりました。数年前、LLOYDの経営はスザンヌたちの手から離れましたが、その足跡はいまでも私たちの心にあり続けています。
昨年の9月、アムステルダムにあるスザンヌの自宅で食事をしていた際、「Cultural Embassy」という称号(?)を私たちに使わせてもらえないかとお願いしました。彼女たちの理念をSHIBAURA HOUSEとして引き継いで、世界の人たちにも共有したいと伝えました。彼女はちょっと間をおいてから「どうもありがとう。そう言われると涙が出てくるわ」と答えてくれました。(自分も涙が出るほど嬉しかった!)
そのような経緯があり、SHIBAURA HOUSEという社名自体は変わりませんが、「& Cultural Embassy」も付け加えることになりました。
スザンヌと、私たちを支えてくれるみなさんに感謝を込めて。
伊東 勝 / Masaru Ito
SHIBAURA HOUSEの代表。あまり経営に向いていない性格を自覚しています。3歳からヤクルト・スワローズを応援しています。
