
【11/27勉強会 | 開催終了】港区でのサーキュラーモデルを考える
先日は、台湾・春池ガラスの代表である呉庭安さんをお招きし、「水辺のまちサーキュラーLAB.」第3回目の勉強会を実施しました。今回参加してくださったのは、区役所の方からディベロッパー、プロダクトデザイナー、学生さんなど。前半は呉さんによるプレゼンテーション、後半のワークショップでは、春池ガラスの活動を参考に(港区のサーキュラーモデル)にむけたアイディア出しを行いました。
◎春池ガラスについて
台湾・新竹に本社を構える春池ガラスは、1970年に呉さんの父である呉春池さんが設立しました。ガラス原料の珪砂と天然ガスが大量に貯蔵されていた新竹は、かつてはガラス産業の集積地でした。現在、春池ガラスでは台湾国内の約10万トンの廃棄ガラスを回収し、同国のガラスリサイクル総量の約70%を占めています。
今でこそ、個人だけでなく企業の中で、サステナブルなものづくりや事業改革を行うところが増えていますが、呉さんによると、一昔前の台湾ではリサイクル事業自体が、社会的に注目されにくい業種だったといいます。収益性が低いため、今でもリサイクルで新たにビジネスを考えるような人は少ないそうです。

◎消費から体験へ
リサイクル事業のビジネスモデルについて、呉さんは若い世代への働きかけ方を重視していると話していました。教科書的な内容や手法ではなく、彼らの興味に引っ掛かるようなユニークな方法でリサイクルの重要性を伝えるようにしているそうです。現代の若者たちは、流行のサイクルが非常に速く、新しい製品が次々に発売されるような、消費社会の真っ只中にいます。ものが溢れた社会で、彼らの関心を惹きつけるための仕掛けとして、商品だけでなく空間演出にも力を入れており、単なる消費ではなく、体験を提供する方向にシフトしているそうです。自社製品やサービスのほか、ものづくりにおけるマインドセットに至るまで、より多くの人々の目に触れる機会を増やす狙いがあります。そのため、国内外のデザイナーと協働したり、飲食店やファッションブランドとコラボすることが増えているそうです。

◎港区のサーキュラーモデルを考える
勉強会の後半では、参加者の皆さんに港区で実現できそうなサーキュラーモデルについてアイデア出しをしていただきました。港区の地域性を改めて考え直し、コミュニティとしての強みや弱みを検討しました。今回は後半のワークショップにまとまった時間が取れませんでしたが、参加者の皆さんと対話の機会を持つことができ、素晴らしい会になったと思います。
港区役所から参加してくださった担当の方は、以前は環境課でお仕事をしていたようで、台湾のリサイクルの流れについて興味を持っていました。台湾国内に存在する大量のガラスを、春池ガラスがどうやって捌いているのかという質問がありました。春池の本社にはビンを色分けする全自動の機械があり、次の製品に加工しやすいような機能が備わっているそうです。処理の過程が一貫してシステム化されてる春池ガラスに対して、日本では、人がすべて手作業で仕分けしています。日本のごみの分別や処理方法は自治体によって違いますが、比較的分別の規定は細かく分かれています。とはいえ、日本のごみの総排出量は4,095万トン(東京ドーム約110杯分)*におよび、世界でも指折りのごみ排出大国となっています。港区の担当者は、自分が出したゴミがどのように処理されていくのか、またごみの責任を誰が持つのかということを、住民の方々に知ってもらいたいと話していました。リサイクルの前段階として、捨てる前提でものを買わないという意識を持つことが大切であることを再認識しました。
*環境省「一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和3年度)について」参照。
軽妙なプレゼンテーションをしてくださった呉さん、勉強会に参加してくださった皆さんありがとうございました!
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