
勉強会 | 都市空間を「リズム」で読み解く
アムステルダムからのゲストを迎えた勉強会を開催
水辺空間の有効活用やサーキュラー・エコノミーに基づく暮らしのあり方をテーマに活動する、港区との共同事業「水辺のまち サーキュラーLAB.」。来週、9/4(水)には地域のみなさんを集めた勉強会(全4回)を開催します。
今年度の1回目となる勉強会では、オランダ・アムステルダム市で都市計画アドバイザーを務めるキャロライン・ネヴェヤンさんをお迎えします。彼女は都市空間と生活する人たち経験と相互の関係性をユニークな方法でリサーチ。都市が奏でる「リズム」というアプローチで、人々が安心して暮らせる都市空間のあり方を研究しています。
今回は彼女が提示するコンセプトを共有しながら、水辺を含む都市空間のありかたについて、参加者のみなさんとディスカッションを行います。
*本イベントは港区の地域事業のため、参加者は港区芝浦港南地区に在住・在学・在勤の方、および同地域のまちづくりに関わる事業者の方に限ります。ご了承ください
■勉強会のポイント
・人々の行動パターンから生まれる「リズム」をベースにした都市の読み解き方、計画のアプローチ
・都市における人々の関係性、とくに信頼関係の築き方について(幾分、社会学的な見地も含めて)
・専門的になりがちな都市計画の構想をユニークに表現する
■こんな方におすすめ
・都市計画、まちづくり、エリアマネジメントに携わる方
・建築や都市計画、社会学等に興味をもつ方(学生さんも)
・上記の分野で面白い発想を求めている方
都市をリズムで表現する
キャロラインさんのユニークな点は、都市の成り立ちと人々の暮らしについて、綿密なリサーチを行いながらも、それらを「リズム」として分析・表現していること。たとえば都市部に人たちの日々の行動パターンを【場所】【時間】【行動】【関係性】の尺度でリサーチ。安定したリズムがあるほど、人々が抱く周囲への信頼感・安心感が増加するという傾向を導き出しています。

▲【場所】【時間】【行動】【関係性】に関するダイヤグラム

▲ 日々の暮らしの行動をダイヤグラム化したもの
「リズムを共有することで、人はお互いに安心感を覚える。例えば、子供を学校に連れて行く、犬を散歩させる、仕事に行くのに同じ電車に乗る、ゴミを出すなど。こうしたありふれたリズムが日常生活を支え、信頼を形成している」
都市における信頼関係はどのように築かれるのか?
また彼女は都市空間に生きる人たちが、周囲との信頼関係をどのように築くのかについても考察しています。人々は、誰を、どの程度、どの分野で信頼するかを感覚的に「区分け」していると指摘します。言い換えれば、相手と出会う場所や時間、職業、身なりという、空間的・社会的構造によって、お互いの距離感が決定されてしまう(それはときに問題を起こす)。そのような原理について、人々はより自覚的になる必要があることを指摘します。
「信頼性が高ければ、人は無防備になれる。脆弱性が大きければ、信頼性に高い要求がなされる」

▲リズムのパターンを構成要素としてオランダの各都市を表現したもの。都市ごとに色彩が異なる
専門的なリサーチをアーティスティックに伝える
キャロラインさんのもうひとつの特徴は、リサーチで集積された「リズム」に関するデータを、アーティストと協働し、ビジュアルや音楽でも表現すること。学術的な領域に留まらず、幅広い人たちに「リズム」を届け、都市計画や人々の暮らし方についての関心を高めようとしています。

▲ アーティストのリチャード・ヴィジェンによるドローイング。 これはアムステルダムの交通信号の視覚化で、人々の動きを規制している
キャロラインを知る現地の関係者からは「彼女は普通のリサーチャーではない。リサーチ内容はもちろん、表現方法がかなりユニーク。彼女のプレゼンテーションは、さまざまな立場の人にインパクトを与えることができると思う」とコメントをもらいました。
今回は「都市のリズム」の概念に関する紹介、さらに短期間ながら港区芝浦港南地区を彼女自身がリサーチした私見も交えてプレゼンテーションを行います。
都市計画やまちづくり、人々の暮らし方に関する活動をされている方、またそうしたテーマをアーティスティックに表現することに関心を持たれる方におすすめの内容です。今回は、港区の地域事業のため参加対象は限られてしまいまが、地域のみなさんにはぜひ参加してほしい内容です。どうぞお見逃しなく。
◎開催概要
日時:9月4日(水) 17:00〜18:45ぐらいまで
会場:SHIBAURA HOUSE(東京都港区芝浦3-15-4)
参加費:無料
対象:(本事業は港区の地域事業のため)港区芝浦港南地区に在住・在学・在勤の方、および同地域のまちづくりに関わる事業者の方に限ります
参加方法:9月3日(火)までにこちらからお申し込みください
◎タイムスケジュール
・17:00-18:00 キャロラインさんによるプレゼンテーション
・18:00-18:45 質疑応答・参加者を含めたディスカッション
*当日は逐次通訳(日⇄英)が入ります
◎ゲストプロフィール

キャロライン・ネヴェヤン | Caroline Navejan (右から3番目)
アムステルダム大学の都市経験デザインの教授、アムステルダム市役所の科学部門のチーフオフィサー。ネヴェヤン氏は1980年代より研究者・デザイナーとして、新興のネットワーク社会やデジタルカルチャーを調査しており、国内または国際フォーラムへも定期的に登壇している。現在、彼女はリズムの研究を行っており、どのようにリズム分析とリズムの介入が社会課題の解決に寄与できるのかをテーマとしている。オランダ国立科学財団の5カ年の助成支援によって、社会課題に対するデザインソリューション空間を明確にするためのリズム分析方法論を発展させた。
詳細はこちら(英語):http://www.nevejan.org
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SHIBAURA HOUSE
