佐賀でワーケーション体験

昨年の12月4日から6日の3日間、港区の「連携自治体ワーケーション」事業を活用して、カフェやマネジメントを担当するスタッフ4名で、佐賀県の有田町、嬉野市、武雄市を訪問してきました。

ご存知ない方も多いと思いますが、SHIBAURA HOUSEの1Fのカフェで使っている緑色の器やカップは「kiji arita」のもの。これは有田の窯元で出荷できずに保管されていた素焼きの”生地”を再生したサステナブルなブランドで、ローンチイベントはSHIBAURA HOUSEで行われました。

photo: Ronald Smits

https://shibaurahouse.jp/kiji-arita-exhibition

今回のワーケーションは有田町をはじめとした佐賀のまちに滞在しながら、芝浦と現地をつなぐ新しい可能性を探すことが目的。ここでは現地の訪問先について、簡単にレポートします。

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ナカシマファーム(嬉野市)

自然に優しい循環型の飼育方法を構築して、牛乳やチーズをつくっているナカシマファーム。牛のふんを堆肥にした土壌づくりから、牛の飼料となるお米づくりまで。さらに店舗で使用するプラカップは生分解性素材で土に還るものになっています。ファーム全体の取り組みとして、とても環境に配慮されています。

私たちはファーム内の店舗で「出来立てさけるチーズ」を購入。弾力とミルクの風味が市販のものとは桁違いでした!裂いたときにおもちのようにもちっとした感触があって、自然な裂け目のふわふわ感がたまりません!

私たちのカフェでも心がけている「食材を無駄にしない」「できるだけ自然のものを使う」というコンセプトと、ナカシマファームが大事にしている「みんなが要らないと感じたもの(堆肥、カップ、ホエイなど)を活用する循環システム」に親和性を感じました。なによりもナカシマファームさんの姿勢、環境への想いはとても心に響きました。

https://www.nakashima-farm.com/

源右衛門窯(有田町)

400年以上の歴史のある有田焼。有田を代表する窯元である源右衛門窯は、今日でも木を使って陶器を焼く伝統を守り続けています。「伝統の意味について理解するのは簡単なことではないが、私たちは職人たちが伝統技術を受け継ぐ場所を提供したいと考えている」とは代表の金子さんのことば。伝統を守ることは、まず「知ること」、そして「習うこと」。そのような想いをひしひしと感じました。

https://www.gen-emon.co.jp/

佐賀県窯業技術センター(有田町)

伝統的陶芸技術を継承しつつ、技術開発にも力を入れています。透明感のあるランプシェードや、レーシングカー、新幹線、高級時計など、高度な技術を駆使した陶製の作品を制作しています。大きさ1㎜以下の精工な陶器があるのは驚きました。また、ひとつの陶器が見る人の瞳の色や周りの色によってまったく違う色に見えることも教えてもらいました。

https://www.scrl.gr.jp/main/1.html

アリタセラ(有田町)

約2万坪もある陶器の店舗が軒を連ねる“陶器のショッピングモール”。時間を忘れて見入ってしまう、陶器好きの楽園です。ただし地域内のさまざまなお店が一箇所に集まっているのは魅力的なことですが、ショップごとの集客力にかなり差があるのが気になりました。積極的なブランディングを図り、グローバルに展開しようとする店舗がある一方、昔ながらの「陶器屋さん」そのままに出店するところもありました。ある意味、地域の陶器産業の現状をあらわす縮図のような場所だと感じました。

https://www.arita.gr.jp/

副島園(嬉野市)

土づくり、肥料、摘採といった工程から、茶寮の壁や椅子、照明、グラスに至るまで。すべてのことが一杯のお茶のために考え抜かれている副島園。カウンターのライトに照らされたお茶は翡翠色に輝いているようでした。日常とはまったく異なる空間でお茶をを頂いたことは、心からお茶に対して向き合うような体験でした。

旨み、香り、甘さ、心地良い渋み。お茶ってこんなに繊細で深い味わいだったんですね。身近な飲み物として飲んでいたお茶に対する考え方が、ぐるんと音を立てて変わりました。今回はアルコールとお茶を組み合わせたカクテルのある「バー」へは伺えず、とても残念でした。ここでは12種類ものアルコール×お茶のマリアージュが楽しめるそうです。今度はプライベートでぜひ伺いたいと思います。

http://soejimaen.jp/

武雄市図書館(武雄市)

2000年の開館以来抱えていた、「利用者の固定化、若年層・子育て世代へのリーチの難しさ」といった課題を転換すべく、2013年に全国初の公立図書館の民間運営(指定管理者制度)に踏み切り、リニューアルオープンした武雄市図書館。

弧を描くように建物の両端を繋げる本棚、自然光を採り入れた空間。ここではルールで来館者を管理するのではなく、空間設計やBGMによって自然なゾーニングがされています。ここでは、おしゃべりも飲食もOK。

「市民からのフィードバックに、すぐ変化を起こす」という館長さんのコメントが印象的でした。人々が本当に必要とするものに真摯に向き合う姿勢が、隅々まで行き届いているようでした。

年間1,000回以上も開催されるイベントは『生きがい』を探すことに重点が置かれ、内容や対象の世代も多岐にわたっています。誰もが好きな場所で目的に合わせた使い方ができる、なんて素敵な空間!!ここは、一人ひとりに寄り添う場として何にも代えがたい価値を持っています。

https://takeo.city-library.jp/

今後の現地とのつながり作り

以上、滞在期間中に訪問した場所について簡単なレポートでした。ワーケーションの目的でもある今後の現地とのつながり作りという点ではいくつかの課題が見えてきました。たとえば現地の食材を取り寄せて、SHIBAURA HOUSEのカフェでも取り扱うことはすぐに思い浮かびます。ただそれを単に販売するだけでは面白くないですし、コストも見合わないのが正直なところです。

ワーケーション後に有田町役場の方々と話しましたが、地域の現状と課題を改めて知ることができました。せっかくのご縁ですので、もう少しリサーチを深めて地域全体のニーズを理解し、SHIBAURA HOUSEらしい付加価値のありかたを考えるべきだと感じました。ワーケーションにご協力いただいた皆さま、今回はありがとうございました。

SHIBAURA HOUSE

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