WDCD Meetup Tokyo 「世界が求めるデザインの責任について話そう」 - SHIBAURA HOUSE
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お知らせ

WDCD Meetup Tokyo 「世界が求めるデザインの責任について話そう」

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「デザイナーよりも有害な職業は存在する。しかし、それはほんの一握りに過ぎない」

ヴィクター・パパネック『生きのびるためのデザイン』(1971)より

自らがデザイナーでありながら、デザインと社会の関係に鋭い眼差しを向けていたパパネック。彼は1970年代から、地球環境に対する影響を無視して、廃棄物となってしまう製品を設計するデザイナーという存在を危惧していました。

その言葉は今、さらなる説得力をもって私たちの胸に響きます。なぜなら、地球とデザインは以下の事実のように結びついているからです。

・世界の温室効果ガス排出量の45%は、私たちが毎日購入し、使用する製品の生産に関連しています。

・市場に流通する製品の環境負荷のうち、80%以上はデザインの段階で決定されると言われています。

・現在、世界経済のうち、わずか8.6%しか循環していません。

*参考: Columbia Climate School/EU Science Hub/Circle Economy

こうした数字を見ると愕然とするかもしれません。しかし一方では、デザインがゼロ・エミッションと、さらにその先の目標を達成する大きな責任を担っていることを示しています。デザインは、地球とそこに存在するすべての生物のために、人々の生活のあり方を根本から見直す役割を果たすべきなのです。

◎ 10月、”デザインの力で社会を変える” オランダプラットフォームが東京へ

デザインと社会課題をつなげるオランダのプラットフォーム「What Design Can Do(以下、WDCD)」。今回、創設者であるリチャード・ファンデルラーケン氏らが来日。東京では10/22に、WDCDのエッセンスを盛り込んだライブイベントを開催します。

▲アムステルダムで開催されているライブイベント
▲昨年のコンペで受賞したリペアのコミュニティ「Club de Reparadores」
▲まもなく募集を開始する「Make it Circular Challenge」

当日はWDCDのビジョンと実践、秋から始まる国際コンペ「Make it Circular Challenge」についてのプレゼンテーションでスタート。さらに世界のデザイナーからのビデオメッセージ、日本や台湾のデザイナーとのディスカッションなども予定しています。また会場となるSHIBAURA HOUSEでは、世界の優れたアイディアを紹介する展示イベントも開催します。

いま世界で求められているデザイナーへの責任と期待。日本ではなかなか知ることができない刺激的な情報に溢れる180分です。ぜひライブイベントに参加して、その熱を肌で感じてください。

◎当日(10/22)のスケジュール

15:00 – 15:10 ご挨拶
15:10 – 15:40 「世界が求めるデザインの責任について」リチャード・ファンデルラーケン氏
15:40 – 15:50 世界のデザイナーからのビデオメッセージ
15:50 – 16:10 「建築がサーキュラーデザインに向かうために」藤原徹平氏
16:10 – 16:30 Miniwiz(台湾)によるオンラインプレゼンテーション
16:50 – 17:50 ゲスト同士によるクロストーク
17:50 – 18:00 クロージング
*逐次通訳あり

▲2019年にSHIBAURA HOUSEで実施されたリチャード氏のプレゼンテーション

◎デザインチャレンジについて

WDCDはデザインチャレンジと言われる国際コンペを定期的に実施しています。受賞した55件のアイディア/スタートアップを投資家とつなげることに成功。そのうち80%が事業化された実績があります。

昨年のデザインチャレンジのテーマは「ノー・ウエイスト・チャレンジ」。市場の製品が〈資源の採掘/生産/廃棄〉というプロセスから生まれることに着目し、廃棄物をなくすアイディアを募集。世界中から1,400件を超えるアイディアが応募されました。最終的には国際審査員の話し合いによって16のアイディアがWinnerとして選出。受賞者はアムステルダムへ招待され、投資家へのアクセレレータープログラムを受講しました。なお日本からは「Project-R」が選ばれています。

▲昨年のアクセレレータープログラムの様子

◎日本、そしてアジアへ

昨年、WDCD Tokyoチームが発足し、デザインチャレンジの日本での展開を手掛けました。今後は日本での普及活動を継続しながらも、アジアの他の地域における展開にも力を入れていきます。WDCDの「デザインを通じて、サステナブルで公平な社会へと移行させる」という理念を実現するために、より幅広いコラボレーションの可能性を探っていきます。

◎登壇者

– リチャード・ファンデルラーケン | Richard van der Laken

リチャード氏は1995年、パートナーと共にグラフィックデザイン事務所を設立。以来、営利・非営利を問わず、オランダらしいユニークで質の高いデザインを提供してきました。その実績は広く認められ、オランダのアートディレクターズクラブ(ADCN)、オランダデザイン賞、イギリスのD&AD、ニューヨークADC、ヨーロッパデザイン賞(審査員賞を含む)など、数多くの栄誉ある賞を受賞しています。

2010年には数人のクリエイター仲間とともに、社会を変えるためのデザインについて話し合うインターナショナルなイベントWDCDをスタート。WDCDは5年の歳月を経て、デザインの影響力を世界に知らしめる国際的なプラットフォームへと成長しました。現在はWDCDの代表として、ノルウェーから南アフリカ、そしてイタリアから中国まで、このプラットフォームを広めるために旅をしてきました。

今回は、まもなく開催されるグローバルなデザインコンペティション「サーキュラー・チャレンジ」のプロモーションを目的とした来日です。約2週間の滞在期間中には、東京・神戸・金沢の3都市でイベントを行う予定です。

– 藤原徹平 | Teppei Fujiwara

建築家。横浜生まれ。横浜の海岸埋め立ての開発に大きな疑問を感じて、建築を志す。横浜国立大学にて北山恒氏に出会い、建築学の面白さ・奥深さを学ぶ。大学院卒業後、隈研吾建築都市設計事務所にて世界の多様な都市でのプロジェクトを設計チーフ・パートナーアーキテクトとして経験。その経験を糧に、2012年よりフジワラテッペイアーキテクツラボを設立。これからの地域社会を支える建築の可能性を探求し続けている。横浜国立大学大学院 Y-GSA准教授。https://fujiwalabo.com

– Miniwiz | 小智研發

台湾のみならず、いま世界から注目を集めるデザイン会社。産業廃棄物を空間やプロダクトにリサイクル。社会課題とクリエイティビティが見事に結びついた活動を展開しています。http://www.miniwiz.com

What Design Can Do
https://www.whatdesigncando.com

WDCD Meetup Tokyo 

日時: 2022年 10月22日 (土) 15:00 – 18:00
会場: SHIBAURA HOUSE
参加費: ¥1,500(一般) ¥1,000(学生)

参加申込は下記peatixのサイトから
https://wdcdtokyo.peatix.com/

主催: SHIBAURA HOUSE
助成: 駐日オランダ王国大使館
協力: 台灣設計研究院(TDRI)