地域を見つめ直す、、新しいまちづくりへのアプローチ - SHIBAURA HOUSE
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お知らせ

地域を見つめ直す、、新しいまちづくりへのアプローチ

お知らせ

◎リサーチの中間報告を展示します

SHIBAURA HOUSEのスタッフが春から準備を進めてきた「nl/minato」。私たちが拠点を置く港区を対象に、ドーナツエコノミー(Doughnut Economics)という新しい概念でリサーチ。まちの現状を、環境と人の暮らしの両面で考え、改善に向けて実践していくプロジェクトです。10/26からは中間報告として、これまでのリサーチ結果をまとめた空間展示を行います。

◎世界で注目される新しい経済学とは?

「限られた地球の資源のなかで、あらゆる人々が幸せに暮らすには? 」

英国の経済学者、ケイト・ラワース氏が提唱するドーナツエコノミーは、人類が抱える切実な課題に向き合い、その解決策を見出そうとするものです。

これ以上地球に負荷をかけてはならないという〈環境的な上限〉と、人々が安全かつ幸福に暮らしていくための最低限のライン=〈社会的基盤の下限〉。このふたつの上限と下限の間をドーナツの食べられる部分と見なし、その範囲で社会を回していこうとする考え方です。

ドーナツの外側にあたる環境的な上限としては「大気汚染」「気候変動」「生物多様性」といったトピックが並びます。それぞれの限界値を超過すると、⇒が外にはみ出すように表現されます。反対にドーナツの内側には社会的基盤として「健康」「教育」「所得と仕事」などが設定。実態として下回る評価になると内側にはみ出します。つまり地球環境と人々の暮らしを適切なバランスを取ることを提唱するのがドーナツエコノミーです。

仮に現在のような消費型社会が続くと、地球環境への負荷は高まり、ドーナツにおける〈環境的な上限〉は超過します。一方、人々の健康的な生活が阻害されたり、格差が拡大していくと〈社会的基盤〉が不足する事態になります。

◎まちの課題を可視化する展示がスタート

いまドーナツエコノミーへの注目度は次第に高まっています。すでにアムステルダム市(オランダ)ではその理論を都市計画に採用。さらにブリュッセル(ベルギー)やメルボルン(オーストラリア)など、世界のいくつかの都市で新たな動きが始まっています。

今回、私たちはドーナツエコノミーによる都市の分析手法を港区を対象に実践しました。SHIBAURA HOUSEのスタッフがドーナツエコノミーを推進する海外の組織とコンタクトを取りながら分析の方法論を吸収。それを活かして地域の人たちへのヒアリングや情報収集を行いました。今後は具体的なアクションプランの策定に移行しますが、今回はこれまで行ってきたことを中間報告として展示します。

普段、自分が暮らしている地域を新しい視点で捉え直すと、新しい課題や解決方法への道筋がたくさん見えてきます。たとえ港区に関わっていなくても、まちづくりの新しい手法にご興味のある方もぜひいらしてください。

nl/minatoについてはnl localサイト内で紹介しています。
https://nllocal.net/

『シティポートレート – 地域をアップデートする16の問い-』

会期: 2022 9.26(月) – 10.8(土)
開館時間: 11:00-18:00
会場: SHIBAURA HOUSE
入場料: 無料