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SHIBAURA HOUSE

SHIBAURA HOUSE

お知らせ

文化プロジェクトを一緒に手掛けてくれる、社外スタッフを募集します

*下記については、一旦〈9/21(火)の13時で締め切り〉とさせて頂きます。気になっている方はお早めにご連絡ください。質問事項などでも結構です。よろしくお願いします。 今回、[A. 文化プロジェクトの担当スタッフ][B. オンラインコンテンツの制作スタッフ](それぞれ1年間の業務委託契約/更新あり)を募集します。 SHIBAURA HOUSEでは、地域の人たちと行うワークショップから、海外の組織と連携した数カ月間に及ぶプロジェクトまで、さまざまな文化事業を手掛けています。最近は、オランダ大使館や港区役所と連携し、共生社会やサーキュラー・エコノミーをテーマとしたプロジェクトも展開しています。日々、いろいろなことが起こるカオスのような職場ですが、それを楽しみながら仕事ができる方を探しています。 人と人がつながるコミュニティづくりに関わってみたい方であれば、たとえ経験がなくても、前向きな気持ちがあれば大丈夫。また将来的に自分で事業を起こしてみたい方にとっては、経験を積み、必要なスキルをひと通り吸収できると思います。また、こちらのページにSHIBAURA HOUSEの考えや実践が掲載されていますので、あらかじめ目を通してみてください。  https://shibaurahouse.jp/?page_id=472&lang=jahttps://shibaurahouse.jp/?page_id=1761&lang=ja 今回募集する委託内容は下記 [A][B]のふたつ。基本的に担当業務は決まっていますが、(社内外を問わず)スタッフ同士で協力して業務に取り組むことが日常的です。 [A][B]の両方ができそうな方も歓迎します。 [A. 文化プロジェクトの担当スタッフ] 地域向けや海外の個人・組織と連携するプロジェクトの担当。企画立案から進捗管理、契約交渉、イベント当日のファシリテーションまでをできる範囲で。海外とのやり取りがあるため、英語力が必須です。 [B. オンラインコンテンツの制作スタッフ] 各プロジェクトに関連するコンテンツを制作するスタッフです。映像を撮影して編集したり、レポート等の文章を書くことも求められます。現在、SHIBAURA HOUSEのサイト、SNSで公開されているものを参考にしてください。 *制作にあたっては、Wordpress、Davinci Resolve、Photoshop、Illustrator等を使用します。最初の段階で複雑な操作までは必要ありませんが、オペレーション自体に慣れている方を優先します。 ◎諸条件 [ 契約形態 ]業務委託契約(週20時間程度〜 / 1年ごとの更新) [ 働き方 ] SHIBAURA HOUSE  +  リモート(業務内容で組み合わせて)*[A][B]共に、原則的に土日祝日の稼働はありませんが、イベントがある場合には来社していただく可能性があります。詳しくは相談の上、決定します [ 必要なスキル ][A]は英語力(ビジネスレベルの会話力、文章力)、[B]はMacの基本操作 [ 業務委託費 ]時間単価/能力に応じて決定 [ 待遇 ]来社時の交通費全額負担 [ 対象 ]日本語ができれば外国籍の方も大丈夫です。大学生でも可。 [ 開始時期 ][A]は2021年11月頃から、[B]は10月頃から ◎お問い合わせ履歴書、職務経歴書(個人事業主の方はその活動が分かる資料)を添えて、下記の連絡先までご連絡ください。後日、担当者から返信差し上げます。ご質問等もお気軽にどうぞ。 ご連絡先info@shibaurahouse.jp*郵送では受け付けていませんのでご了承ください。

お知らせ

NL HOUSE

今を乗り越え、未来を描く。 日本とオランダを繋ぐ『NL HOUSE』を期間限定オープン。 このたび、在日オランダ大使館との協働プロジェクトとして、2021年 7月23日(金)〜8月10日(火) 、8月18日(水)〜9月5日(日)の期間限定で、SHIBAURA HOUSEが『NL HOUSE』になります。 *「NL」とはオランダの略称 『NL HOUSE』は、SHIBAURA HOUSEの空間全体を、オランダテイスト溢れる家のようにアレンジ。 1日2名限定で日本の文化関係者をゲストとして招待し、オランダに関連するさまざまなプログラムを体験してもらうプロジェクトです。また一般の方にも楽しんで頂けるマーケットや展示スペースも設置します。 たとえば『NL HOUSE』での過ごし方は次のように想定しています。 まず、ゲストの到着時にオランダのロースターから特別に仕入れたコーヒーでお出迎え。その後、日本とオランダによるさまざまな協働プロジェクトに関する展示を見学。夕方からはスタッフと共にオラン ダの家庭料理を調理。完成した料理をリビングで頂きます。夕食後にはオランダからのユニークなゲストとオンラインでの対話も用意。お互いの状況や、コロナをどう乗り越えていくかについて語ります。 さながら友人の家に招かれるような感覚で過ごすことができる『NL HOUSE』。レセプションや展示エリアは一般にも無料で開放し、実施されるプログラムの様子もオンラインで発信する予定です。 ◎企画の目的 SHIBAURA HOUSEではこれまで、アートやデザイン、さらには共生社会や環境問題といった分野で、 オランダと関連する数々のイベントを実施してきました。オランダの人々による斬新な発想と、それら がもたらすインパクトは、私たち自身の活動を見直したり、一歩先に進めるきっかけになってきました。日本とオランダで、これまでのように直接会うことは難しくても、オンラインを駆使しながら、より近くに、またインタラクティブに伝えることはできないだろうか。そのような思いをもってこの企画をスタートしました。 新型コロナウイルスによって、社会構造や人々の暮らしが大きく揺さぶられる現在。これからの社会を どのように捉え、デザインしていけるのか。互いに抱える葛藤や問題意識の共有を足がかりに、ゲスト同士、さらにはオンライン上での参加者も交え、新しい可能性を引き出していきます。 ◎プログラム内容 – オンライントーク「Beyond Distance」アートやデザイン、共生社会、ジャーナリズム、サーキュラーエコノミーなど、多様なジャンルで活動している人々を日本とオランダ間でマッチング。会期中、全15回の実施を予定しています。誰とお話するかは当日までのお楽しみです。対話の様子は後日オンラインで公開します。 – 日蘭プロジェクトの参加型展示オランダ大使館が近年サポートしてきた、日本とオランダを繋ぐ文化プロジェクトの展示・紹介エリアを設置。今回はそれぞれのプロジェクトに取り組む人々の運営プロセスに着目。プロジェクトに至るまでの過程や、試行錯誤しながら未来を描く様子を垣間見ることができます。 – 日本の食材をアレンジしたオランダ料理オランダで親しまれている家庭料理を日本的にアレンジ。ゲストとともに調理して味わいます。レシピや作り方はオンラインでも公開します。*下の写真はスタンダードなメニューを試作した様子 – レセプションエリアどなだも楽しんで頂けるよう、1Fはオランダの街並みや人々の日常をイメージしたデコレーションが施されます。ガラス張りの空間はアーティスト・Mariya Suzukiさんが48時間かけてドローイング(7/16, 17)。書家の華雪さんによる題字なども展示されます。またスナック、文房具、生活雑貨など、サスティナビリティやデザインセンスが光るオランダのプロダクトも販売します。 – ゼロウェイスト・クロージング空間の装飾や展示で使用した素材は、ワークショップを通してエコバックやランチョンマットなどに生まれ変わります。『NL HOUSE』全体として、ごみを出さないゼロウェイストの会場デザインを目指しています。 ◎『NL HOUSE』実施期間 2021年 7月23日(金)〜8月10日(火)  8月18日(水)〜9月5日(日)*社会状況により、実施期間・内容ともに急遽変更する場合があります ◎企画・運営 | SHIBAURA HOUSE〒108-0023 東京都港区芝浦3-15-4 Mail: info@shibaurahouse.jp TEL: 03-5419-6446 ◎助成...

アーカイブ

kiji arita exhibition

”kiji” 生地とは、絵付けや釉薬が施される前の、素焼きの形状のものをいいます。  有田焼は、今も昔も製造過程に必ず職人の手作業が入りディテールが際立ち、質が高いのが特徴的です。ですが、それにも関わらず時代の変化についていけず市場を失い、倉庫に眠っている生地が存在します。  kiji aritaは、いつかは産業廃棄物になるかもしれないこれらの生地(キジ)を再解釈し、新たな光を当て循環させて行くことを目的としたプロジェクト・ブランドです。  シンプルに、百々凝っているところがあるから循環させたいと言う思い。時代は変化しても、そのもの自体の本質は変わったわけではありません。新しい古いに関係なく、有田焼の魅力や価値を伝えたいと言う思いがあります。  そのために私達が今できる事、新しい視点で既存の価値を引き出すこと、それと同時にその価値を伝えるための環境を作り、耕すことを試みます。  第一弾目は、戦後から現代までに製造された生地をひとつのテーブルウェアコレクションに落とし込みました。コレクションは、形状がデザインされた年代や窯元が異なる12アイテムで構成されています。色は青緑と有田の白磁の2色で展開します。  使用する生地は、すでに製造停止となっているため、製品の数は生地の在庫数となり限定されています。1つの形状の在庫が売り切れ次第終了となり、次の形状と入れ替わります。新しく同じ形状を作ることは行いません。製品の裏の高台には形状がデザインされた年代、在庫数をロゴの一部として記載しています。  今回は、特別展示として60形状を展示しており、各展示品には形状がデザインされた年を記載しています。戦後から現代までに作られた有田焼の形状のアーカイブとなっています。各時代に日本の食文化が作り出した多様な形状もお楽しみください。 アートディレクション、デザイン:Sander Wassinkプロデュース、全体ディレクション、デザイン:石澤依子写真:Ronald Smits kiji arita exhibition 展示期間– 4月1日(木)〜10日(土) 11:00〜16:00 *3(土)、4(日)は除く 販売– 展示品は展示期間中のみ購入可能です。詳しくは、お近くのスタッフまでお問い合わせください 会場– SHIBAURA HOUSE 1F お問合わせ– 下記のフォームからお願いします。https://shibaurahouse.jp/?page_id=733&lang=ja *kiji aritaはSHIBAURA HOUSEが運営する「What Design Can Do ノー・ウェイスト・チャレンジ」のコラボレーションパートナーです。

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アムステルダム市役所と考える水辺の未来 vol.1

アムステルダム市役所と考える水辺の未来 vol.1Thinking about the future of the waterfront area with the city of Amsterdam vol.1 アムステルダム市役所をパートナーとしてディスカッションを行い、水辺の未来のシナリオを描く、全3回のイベントです。主に港区における環境の課題について、文化と経済、行政が共に動く地域的なソリューションを考えます。 今回、話の舞台となるのは、東京湾や運河に囲まれる港区・芝浦港南地区。JR田町駅や高輪ゲートウェイ駅周辺の再開発が進む一方、水辺エリアに関しては、まだ十分に活用されているとは言い切れません。また、ここには生活排水による水質の問題も根深く存在しています。 いま、私たちはそうしたエリアを環境への配慮と人々の暮らしの視点によって、あらためて見つめています。多くのオフィスビルやマンションに囲まれるこのエリア。だからこそ、運河の水やその周辺の緑は、自然を感じられる貴重な存在といえます。 SHIBAURA HOUSEではこれまで「OPEN! FURNITURE」「ノー・ウェイスト・チャレンジ」を通して、水辺エリアとも接点をもってきました。さらに今後、人の暮らしと環境が折り合いをつけながら、どのように進んでいくべきか。一度立ち止まり、視野を拡げ、次の適切な一歩を探していくタイミングにあると感じています。 今回からディスカッションのパートナーとして、運河のユニークな活用や、ドーナツ・エコノミーの採用で知られるアムステルダム市役所を迎え、お互いの都市が取り組む計画やソリューションを共有。継続的なディスカッションを通して、アイディアを拡げ、実現可能性を高めていきます。 当日はアムステルダム市役所のほか、港区役所、在日オランダ王国大使館からも関係者が参加。その様子をどなたでも視聴して頂くことができるようウェビナーで公開します。 *当日の内容 “港区での新しいプロジェクトについて” 港区では4月から「水辺のまち サーキュラーLAB.」というプロジェクトをスタートする予定です。水辺エリアが抱える課題を整理しながら、このプロジェクトでの目指すもの、実施内容などを説明します。 – 市橋拓弥氏 (港区芝浦港南地区総合支所・協働推進課) “アムステルダムの運河と公共空間の使いかた”運河でのスケートやライト・フェスティバル、LGBTプライドパレード、そして自転車文化。運河とその周辺の公共空間のユニークな活用事例を、アムステルダム市役所で都市計画を担当するミリャナ・ミラノビッチ氏が紹介します。さらにライト・フェスティバルのディレクターを務めるアルベルト・デルトゥール氏も参加予定です。 – ミリャナ・ミラノビッチ氏 (Lead Urban Designer City of Amsterdam)– アルベルト・デルトゥール氏 (managing director of the Light Art Collection, the international pillar of the Amsterdam Light Festival) 「アムステルダム市役所と考える水辺の未来...

2020.11-

ウェブサイトが新しくなりました

 SHIBAURA HOUSEのウェブサイトが数年ぶりにリニューアル。見た目的には、以前よりもおとなしくなりましたが、私たちの考えや活動を色濃く反映できる構成になりました。 ▼ 主な変更点 −「投稿ベース」のサイトになり、これまで以上にさまざまな情報を伝えやすくなりました。 − 取り組んでいるプロジェクトを「コミュニティ」ごとに整理しました。 − イベント情報はサイト内に掲載されますが、参加申込みが必要な場合は外部のサイト(peatixなど)へリンクする方式になりました。 − レンタルスペースは外部の専用サイト(Reserva)から申し込む方式になりました。 ▼ ポイント − サイト内の挿絵的なイラストは坂内拓さんに、スタッフの紹介イラストはハギーKさんに依頼しました。 − イベントの「実施レポート」など、以前の記事はいくつかピックアップして転載しています。 − 内部的には管理しやすいシステムになったため、スタッフが更新するモチベーションが高くなりました。 − (今更ながら)スマートフォンでも見やすくなりました。 *読みにくい、わかりにくい箇所などあれば、ぜひお問合せフォームからご指摘ください。

nl/minato

「女の子」きらい

BY 田代奈央 On being seen…見られることについて 「女の子」と言ったときに想像されるイメージがきらいなのは、自分の中の、そのイメージに当 てはまらない部分を否定されているような気がして傷つくからです。nl/minatoでは、そんなイ メージー性別に与えられた社会的な役割(ジェンダー)について、話し合う機会を持ちたいと 思ったからでした。 可愛いことが一番重要に思えた高校生の時期は、ジェンダーについて意識的に考えるように なった時期でもありました。24になった今でもはっきりと覚えているのは、高校生になって初 めて彼氏ができたとき、別の課に所属していた彼の友人たちが、品定めでもするかのように教 室まで私を見に来たときのことです。赤の他人から自分の顔かたち、身体に関するコメントを 聞いたときは、それが否定的なものであるときはもちろんのこと、肯定的なものであっても、 自分がモノになったかような不快な感覚をおぼえました。可愛いことが重要だと思ってきたの は、自分が可愛くありたいからというだけでなく、そうでないと女性としての価値を周囲に認 めてもらえないと、無意識的に考えていたからなのかもしれません。女性であることを窮屈に 感じるようになりました。 On un-education…自分で自分を教育しなおすこと 可愛くて(細くて、目が大きくて…)、愛想が良く、家庭的で、従順な「女の子」との葛藤は、多く の女性が経験してきたことではないでしょうか。nl/minatoのテーマは共生社会(Inclusive Society)ですが、私がInclusive Societyと聞いて想像するのは、社会的に与えられた女性像にあ てはまらない女性も含め、すべての女性が、自分の居場所があると感じる社会です。 11月にプロジェクトメンバーと共にジェンダーやLGBTQのトピックを扱ったワークショップを 開きますが、そのワークショップが、これまで教えられてきたあるべき女性像、男性像を問い 直すきっかけだったり、自分で自分を教育しなおす機会になったらいいなと思います。そんな ワークショップにするために何が重要かということを学び、また、自分のジェンダーへの理解 を深めたいとの思いを胸に、片道30時間かけてアムステルダムを訪れました。 Be relevant…自分の問題として考える イェンス・ファン・トリヒトさんは、男性性についての考え方ー家父長制的な考え方を変えることで、男女平等 な社会を目指す、Emancipatorという団体のリーダーです。 家父長制的な考え方の弊害は多岐にわたります。例えば、男性が一家の稼ぎ頭であるべきで、女性は家庭にいるべき、という考えは、本当は仕事だけでなく家族との時間をもっと多くとりたい男性にとっては有害です。彼は男女平等が進んで女性が働きやすい社会になることで、恩恵を受ける男性の一例です。 Emancipatorのワークショップ、またファン・トリヒトさんへのインタビューを通して、個々人が社会 的な課題を自分に関係のある問題として捉えることは、課題の解決の為に重要な要因のひとつ なのだろうという考えにいたりました。ファン・トリヒトさんとも話したのですが、現状、ジェンダーを女性のためのトピックだと考えたり、男女平等というと男性嫌悪として捉えたりして、 自分は無関係だと考えたり、反感さえ示したりする男性は少なくないようです。ですが、男女 間の不平等が実際男性にも不利益を与えてるのを伝えることで、自分に関係のある問題として 真剣に考えることになるはずです。ワークショップでは身近な事例を挙げることで、トピック に親しみを持ってもらうことから始めたいと思います。 Be Real …安心して話し合える環境づくり Sex mattersは、学校などに出向いて、若者を対象に性やジェンダーに関するワークショップを している団体です。今回は実際に彼らのワークショップに参加することができました。印象的 だったのは、その内容のオープンさです。AVを見るか、同性に惹かれるか、など、初対面の人 にとは話さないであろう話題が飛び交いました。ですが、そうしたトピックに対してもあまり違和感なく話し合うことができたのは、彼ら自身から進んで本音を出していくことで、正直に話して大丈夫と思えるような、安心できる環境をつくり出していたからだと思います。 日本では性に関する話題がタブーという風潮があるように思えるのは、性教育が性行為ではなく性器の話に終始することからも、私の感覚だけでなく事実だと思われます。だからこそ、私たちがワークショップを開く際は、こうした環境づくりには力を入れたいと思いました。 Be Righteous…正しいことをする 以上の2点がワークショップを開くにあたって気をつけたい点ですが、個人的な学びとして挙 げたいのが、私たちは正しいことをしなくてはならないという点です。ファン・トリヒトさんに1対1でのインタビューをしたとき、Political...

実施レポート

「デ・コレスポンデント」を迎えて(前編)

6/13から一週間、ジャーナリズムのプラットフォーム「デ・コレスポンデント」の創設者ロブ・ワインベルグさん、デザイナーのヘラルド・ドュニングさんをオランダから招聘しました。東京での滞在期間中は早稲田大学(報道実務家フォーラムとの共催)、SHIBAURA HOUSEでレクチャーを開催。多くの参加者を集めることができました。 デ・コレスポンデントの存在を知ったのは、今から3年前。来日中のジャーナリスト、ヨリス・ライエンダイクさんから「自分が応援している若いジャーナリスト達が新しいジャーナリズムのプラットフォームを作ろうとしている」と教えてもらったのがきっかけです。 ネットで調べてみると、2ヶ月前にデ・コレスポンデントはローンチしていました。クラウドファンディングを利用して1億円の資金を集めたことも話題でしたが、綿密な調査に基いて記事にするスロージャーナリズムというスタイルと、洗練されたサイトデザインが見事に融合する、その完成度に驚きました。 幸運にも翌年アムステルダムを訪れる機会があり、彼らと直接会うことができました。ロブさんをはじめ、創設メンバーは30歳前後の若い人達ばかり。編集部のある近くのテラスでビールを飲みながら、カジュアルな雰囲気で話をすることができました。その際、デ・コレスポンデントを始めた経緯、運営方法、今後の展望などを伺いました。そこで感じたのは既存のメディアに対する懐疑的な視点と、それから反転して生まれた強い社会的使命感といえるものでした。 とくに創設者のロブさんはデ・コレスポンデントを立ち上げる前、オランダの大手新聞社が発行する「nrc next」で編集長を務め、会社の方針と合わずに解雇された経歴をもっています。広告収入に依存した新聞社の経営構造や社風、また若い人達の新聞離れに対して、いままでのメディアのあり方では立ち行かないと感じていたようです。そして自分たちの手で、まったく新しいメディアをスタートさせたのです。 パブリックサービスとしてのジャーナリズム なによりも彼らが素晴らしいのは、純粋にジャーナリズムに身を捧げている姿勢です。会えばすぐにわかると思いますが、人間的にも真っ直ぐで、話していてとても気持ちの良い人達でした。ロブさんは長く哲学を学んでいたというバックグラウンドがあり、「社会はこうあるべきだ」という明確な信念をもっています。そして社会においては健全なジャーナリズムが必要で、それは一種のパブリックサービスだと位置付けています。したがって、記事を商品として買うのではなく、パブリックサービスを支える意味で、皆でサポートして欲しい。そのように訴えます。 彼らの話を聞いて、これは日本にとっても非常に有益な参考事例になるのではないかと思いました。というのも、当時は日本のメディアを取り巻く環境は非常にナーバスな雰囲気がありました(今も変わらないかもしれませんが)。とくに震災後の報道をめぐっては、政府からの圧力や情報の隠蔽の有無が取り上げられ、メディアとしての信頼感を損なっているような感さえありました。また私達自身、メディアの仕事に多少なりとも携わっている以上、その動向に無関心ではありませんでした。 新聞社の状況について言えば、オランダと同様、購読者数が徐々に減少し、その構造自体も変化が求められていました。報道機関が果たすべき役割、さらには、そもそもジャーナリズムとは何なのかという疑問すら浮かび上がっているようでした。 そのようなターニングポイントのなかで、デ・コレスポンデントは新しい選択肢のように映りました。広告収入は一切なし。その分野に詳しい専門のジャーナリストが記事を書く。それを読みたい人がお金を支払ってサポートする。あくまでもジャーナリストと読者の信頼関係をベースにする、とてもシンプルな仕組みです。 私達はデ・コレスポンデントと出会ったことを契機として、海外のオンラインのジャーナリズムの動向に関する勉強会を半年間続けました。最初は社内スタッフだけでスタートしましたが、やがて、当時は大学院生だった宮本裕人さん(現・Wired編集部)、現代ビジネス編集部の佐藤慶一さん、オランダ大使館のバス・ヴァルクスさん達が加わってくれました。 リサーチとディスカッションを繰り返し、やがてひとつの問いに行き着きました。それは「デ・コレスポンデントの日本版を作ることは可能なのか?」ということです。単純な発想のように思えますが、この仮定に沿って考えることで日本のメディアを取り囲む現状を把握し、さらに、そのあるべき姿を想像することができるのではないか。私達はそのように考えました。 継続的に開催した勉強会では日本のジャーナリズムやメディアに関して、さまざまなトピックで意見交換しました。ときには新聞社に話を聞く機会もありました。新聞社の収益構造や購読者数の推移、記者クラブの存在、さらには記者のジレンマまで。そこでわかったのは、業界に属する人達が現状に対して決して無自覚なわけではないことです。問題を「嫌というほど」理解しながらも、「それに対してアクションを起こすことができない」という言い方が正確かもしれません。ジャーナリズムというよりも、企業論理が優先される。それはかつての成功体験を引きずる企業病のようにも感じました。

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