1. HOME
  2. OPEN!FURNITURE
  3. OPEN!FURNITUREについて
OPEN!FURNITURE

OPEN!FURNITUREについて

開発で見落とされるもの

 「OPEN! FURNITURE」は、まちのなかに誰もが使える家具を設置して、ユニークなパブリックスペースを生み出すプロジェクトです。2018年より、SHIBAURA HOUSEの公共文化部門(東京文化センター)が企画・運営し、港区の助成金(令和元年度港区文化芸術活動サポート事業助成)でその費用を賄っています。現在、芝浦・三田エリアを中心に、計13ヶ所のスペースに家具を設置。地域の方々による、日常的な活用を目的とするだけでなく、ダンサーやミュージシャンを招聘してイベントやシンポジウムなどを実施してきました。

LAND FESによるダンスパフォーマンス
三日満月による演奏会

 私たちが拠点とする芝浦は近年、オフィスビルと高層マンションが建ち並ぶ典型的な再開発エリアです。最寄りのJR田町駅は毎日20万人近くが利用。朝夕のラッシュ時には多くの会社員が行き交います。また、新しく建設されたマンションなどにはファミリー層が転入し、こどもの数が急速に増加。芝浦はここ10年間で人が増え、街の雰囲気が大きく変化する一方、皆が集えるようなパブリックスペースが少ないことが明らかでした。

始まりは運河から

 「OPEN! FURNITURE」の着想は、家具を製作する石巻工房のスタッフとの何気ない会話から始まりました。天気が良い日には穏やかな風が抜け、心地よい場所となる運河沿いの遊歩道。ランチタイムにはお弁当を食べる何人かがいるものの、多くの人が歩いて通り去ってしまいます。

 ある意味、運河は芝浦エリアでもシンボリックな存在です。毎日、何万人もの人たちが運河を目にしながら生活しています。もしその場所に誰もがくつろげるベンチやテーブルが揃っていれば、もっと面白い場所になるのではないか。そのような話を石巻工房のスタッフと交わしました。

 そもそも石巻工房は東北の震災後に誕生したDIY的な精神をもつ家具の工房です。2011年の設立以来、世界で活躍する建築家やデザイナーと組んで次々とユニークな家具を発表。市民とのワークショップも度々開催し、彼ら自身が家具作りを通して社会にコミットしていく姿勢をもっています。都市の隙間に家具を挿入して、人々のつながりを作っていくという今回のコンセプトは、石巻工房にも合っているように感じました。

2018年のまちあるきツアーの様子。運河沿いに設置してある椅子は、防災かまどにも活用できます。

 私たちは石巻工房、加えて家具の設計を担当してくれる建築家の鈴野浩一さん(トラフ建築設計事務所)と一緒に現場のリサーチをスタート。イメージを膨らませながら敷地に合う家具の形状や数量を想定していきました。同時に運河沿いのスペースを管理する部署や商店会とも協議の場を持ちました。安全や管理の面から常設こそできないものの、家具を柔軟に設置できる可能性を見い出すことができました。

通りがかる人や買い物途中の休憩などにも使われています。

 そうして2018年の秋、運河沿いのスペース向けにカスタマイズされたテーブルやベンチが完成。毎週金曜日を「OPEN! FRIDAY」と称して設置したり、音楽やダンスのライブイベントにあわせて活用できるようになりました。2019年度は区内の他のスペースにも拡張。さまざまな場所で「OPEN! FURNITURE」の家具を目にすることができるようになりました。