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2021.3-

社会の歪みにフォーカスする試み

2021.3-, お知らせ

社会の歪みにフォーカスする試み

2011年の開館以来、社屋の一部を開放し、誰もが利用できるフリースペースとして運営してきたSHIBAURA HOUSE。地域の会社員や親子連れ、海外からのビジターなど多くの人たちが立ち寄ってくれることになりました。

しかし昨年からの新型コロナウイルスの影響で、フリースペース自体のありかたが問われることに。街を出歩く人の数が減り、ひとつの空間に集まることも難しくなってしまいました。フリースペースを利用する人の数も大きく減り、以前のような賑やかさは今なお戻ることはありません。

▲コロナ以前のフリースペースの様子

そのような状況のなか、私たちはオランダを拠点とするプラットフォーム「What Design Can Do」の東京版をローンチ。現在、廃棄物を含む地球環境の課題に対するデザインコンペティション「ノー・ウェイスト・チャレンジ」を実施しています。

その準備を進めるにつれて、私たちスタッフも環境について多くのことを学ぶことができました。コンペの運営側として、みなさんからアイディアを募ると同時に、もし私たち自身がコンペの応募者であればどんな提案をするべきか、ということも思案してきました。それは結果として、SHIBAURA HOUSEの今後の方向性を定めることにつながりました。向かうべき道が一層明確になったと思います。

この春から、SHIBAURA HOUSEのフリースペースは廃棄物を出さないゼロ・ウェイスト型のマーケットに。そして地域に対してはサーキュラー・エコノミーの考え方を採り入れて活性化を目指す、実験的なプロジェクトをスタートさせる予定です。

買うことを通して、社会の仕組みに目を向ける

1Fでスタートする新しいマーケット「TULIP」。東京・青梅の農家さんたちを芝浦の消費者が定期購入することで安定的に支える仕組み、窯元で出荷できない陶器をデザインし直したブランド、流通の問題で行き場を失ってしまったコーヒー豆など。誰でも立ち寄れるマーケットという形を採りながら、いまの消費社会の歪みから生まれる、さまざまな状況を見つめ直します。

[写真上] 新しく始まるマーケットと取り扱うコーヒー豆のビジュアル
Illustration: 間弓浩司
[写真下]「Kiji arita exhibition」4/1(木)〜10(土)
有田焼の窯元に眠る出荷されない素焼きの陶器をオランダ人・デザイナーがリ・デザイン。https://shibaurahouse.jp/?p=4351&lang=ja
Photo: Ronald Smits

環境と社会的基盤を考える地域プロジェクトも

東京湾や運河に囲まれる港区・芝浦港南地区。JR田町駅や高輪ゲートウェイ駅周辺の再開発が進む一方、水辺エリアに関しては、まだ十分に活用されているとは言い切れません。また、ここには生活排水による水質の問題も根深く存在しています。多くのオフィスビルやマンションに囲まれるこのエリア。だからこそ、運河の水やその周辺の緑は、自然を感じられる貴重な存在といえます。

いま私たちが計画しているのは、サーキュラー・エコノミー(循環型経済)や、さらに社会的基盤・倫理的側面も包含するドーナツエコノミーの考え方を採用して、水辺エリアでユニークな仕組みをつくること。その領域で先進的な試みを実践しているオランダ・アムステルダム市役所をアドバイザーとして、在日オランダ大使館、さらには港区も巻き込んでいきたいと考えています。

春からは準備段階のプログラムとして、アムステルダム市役所とのディスカッション(ウェビナー)、地域のこれからを考える「ドーナッツ会議」、こどもたちの環境への意識を高めるワークショップなど開催していく予定です。詳しい情報は順次公開していきます。

*関連プログラム

「草木染めワークショップ」3/26(金) 13:00〜16:00
地域で剪定された植物を使った染色のワークショップ。アーティスト、山本愛子さんと、近隣のこども達が参加。身近な植物から色を抽出し、染色を体験します

「アムステルダム市役所と考える水辺の未来 vol.1」4/9(金) 17:00〜19:00
アムステルダム市役所がディスカッションのパートナーとして参加するウェビナー。主にアムステルダム市役所としての考えかた、政策をプレゼンテーション。港区での実施可能性を探ります
https://shibaurahouse.jp/?p=4174&lang=ja